任意売却の場合、親や親族が買主として、親子間・親族間売買をすることも可能です。
金融機関としては、住宅ローンが返済されれば、買主は誰でもよいのです。
親子間・親族間売買の注意点
親子間・親族間の不動産売買では、注意点がありますので、理解して進める必要があります。
融資可能な金融機関が少ない
購入する親子等が、新規で住宅ローンの利用が必要となり場合、多くの金融機関は、親子や親族間での売買に対して住宅ローン融資をしていません。
融資可能な金融機関を探す必要があります。
贈与税が課税されてしまう場合もある
相場より相当安い金額で売買契約をしてしまうと、安くした部分をみなし贈与と判断され、「贈与税」が課税される可能性があります。贈与税は、税率の高い税金ですので、ご注意下さい。
親子・親族間売買をサポートします
重要事項説明書・売買契約書を作成します
親子・親族間売買であっても売買契約書や重要事項説明書を作成する必要があります。
「親子・親族間売買だから、契約書は不要…。」と、お考えの方もいますが、住宅ローンを利用する場合には、必然となります。
さらに、「税務調査」や「将来、売却時の取得費証明」に対応できなくなり、贈与税や譲渡税などの税金対策が不備となり、思わぬ課税対象となる可能性があります。
査定報告書を作成します
税務署から贈与税が課税されないように、宅地建物取引業法に基づいた「査定報告書」を作成します。査定報告書には、売買価格の根拠となる説明を記載することで、適正価格であることが証明できます。
ご相談事例のご紹介
親族などの資金援助で、ローン返済や売却がしたい
ご相談者:鴻巣市在住 S様 45歳会社員 奥様・お子様2人
相談内容:15年前に中古マンション購入
価格:1980万円
借入金:1900万円(都市銀行)
残債:約950万円
毎月の返済:85,000円
- 怪我に長期療養に為、給与が減額されてしまった
- 住宅ローンを9ヶ月滞納する
- 裁判所より「不動産競売開始決定」「競売日程」の通知が届き、入札日が確定している
1.ご相談者の要望
- 競売だけは回避したい
- 両親から資金援助が可能である
- 税金がかからないように対策がしたい
2.想定売却価格の算出(不動産査定価格)
通常売買による売却価格 800万円
競売による想定落札価格 650万円(市場価格の80%と算出)
3.任意売却の結果
- 両親の援助で、住宅ローン+遅延損害金を全額完済
- 税務対策として、両親と「金銭貸借契約」を締結し、資金を借入した方法を取った
(他に、債務がある場合には、所有権移転をすることが得策である)
4.S様の選択と結果
両親に援助で、短期間に競売の取下げができた。
両親などから資金援助の場合は、税務対策が必要となる。何も対策しないと、税務署から現金の贈与と見なされ、贈与税が課税されるので注意が必要でる。